女性起業家が機関投資家を活用する方法【SHE Leads WE Rise 投資家パネルレポート後編】

MPower Partners Team

Mar 10, 2026

WPower Fund主催のイベント「SHE Leads WE Rise」では、三菱UFJ銀行の北川千晶氏と東京海上ホールディングスの生田目雅史氏を迎えたパネルセッションを実施。前編に続く本記事では、大企業との連携や投資家によるさまざまな支援の可能性をお伝えします。

パネリスト

  • 北川千晶氏(三菱UFJ銀行 常務執行役員 ウェルスマネジメント担当)

  • 生田目雅史氏(東京海上ホールディングス 専務執行役員 グループデジタル戦略総括)

モデレーター:キャシー松井(MPower Partners ゼネラル・パートナー)

大事なのは「人と人」。事業を理解する投資家から資金調達を

キャシー:スタートアップが大企業と効果的に連携するには何が必要でしょうか?

北川:私どもには人脈だけでなく、多数の取引先があります。そことおつなぎするには、まずわれわれの窓口がその起業家のファンになって、社内で営業していかなければならない。その際にしっかり語れるよう、会社のよさを教えていただきたいです。また社内も非常に広くていろんなラインがありますので、そうした縦割り構造を理解いただくことも必要かなと。われわれが動きやすく、相手を説得しやすくなるよう、いろんな知恵をいただきたいと思います。

キャシー:北川さんはウェルスマネジメント領域で、全国のいろんなファミリービジネスとお付き合いされています。何十年、何百年と続く会社の経営者と接するなかで気づいたことはありますか?

北川:この数年、年間700から800ほどのオーナー経営者の方にお会いしますが、皆さん人的ネットワークを非常に重視しており、関係を築く努力を惜しまない。一番最後、追い詰められたときに役に立つのは人であると感じていらっしゃるのだと感じます。

また、資本戦略としてのM&Aに対する関心はより一層高まっています。スタートアップにはいろいろな方向性が考えられるなかで、それも1つの大いなるマーケットだということも知っていただければと思います。

キャシー:東京海上では起業家との連携においてどのような可能性がありますか?

生田目:当社には大企業のネットワークがあるので、それを最大限活用していただきたいと思います。防災・減災を目的に事業化しようと他社に声をかけたのが始まりで、最初14社の集まりが今では約140社になりました。そのなかで実際にある企業を約1,000億円で買収し、新しい事業を開発しています。また、大手運送事業者を中心とした11社でデジタル化の支援や効率向上などにも取り組んでいます。会社にした例ではペットのヘルスケアですね。ほかにも当社のチームの女性がDX教育事業を立ち上げました。それも結構好調なんです。ぜひ、そんなお話もご一緒できればと思います。

キャシー:ちょうどMPowerの出資先にペット関連の会社があります。最初はどのように接点を持てばよいですか?生田目さんにメールすればよいのでしょうか?

生田目:もちろんそれでもよいのですが、1人ひとりネットワークを作り、コネを頼り、連絡して相談できませんかというのは大変だと思います。三菱UFJ銀行さんをはじめファシリテート役となる大企業があるので、今日の機会なども活用していただければと思います。

あと、資金調達は事業をわかってくれる人とやった方がよいですね。 北川さんが言われたように、事業は人と人との関係のなかでできる話なので、通じ合える人を見つけることがとても大事です。ひた向きにやってる人には、必ず誰かがスポットライトを当ててくれると私は思っています。

事業家のアイデアは、ある意味偶然の気づきですよね。この偶然の気づきを煮詰めて味を濃くしていったら、最後にそれが社会の必然になるというプロセスがスタートアップの醍醐味です。私どもはその偶然の気づきを社会の必然にするところまで一緒に煮詰めていければと考えています。

北川:規模を作り込んでいく過程に、われわれも入らせていただくことがとても大事だと思っています。今日一緒に来たスタートアップ戦略部のメンバーは、まさにわれわれの窓口となるチームです。弊社では経営層全体がスタートアップに対して強い思いを持っており、これまでもいろんな場所でイベントを開催しております。そうした場でも接点を持たせていただければと思います。

M&Aやリスク対策など、投資家の支援を幅広く活用を

キャシー:投資家として魅力があるのはどのような案件でしょうか?領域、希望、スケールなど教えてください。

生田目:特に決まったものはありません。実際の投資先はステージもさまざまですし、成長して買収に至った案件もあります。ア-リーおよびミドルステージの出資はもう80社ぐらいになります。

キャシー:北川さんはいかがですか?興味のある領域や注目分野はありますか?

北川:われわれも社会課題の解決に資することがベースになりますので、決まった領域があるわけではありません。ただAIはもはやどの領域でも欠かせないですね。またインフラ領域ではつき合う企業も多いので、お役に立てるかなと思っています。

生田目:弊社では広い概念で、未来の社会づくりに近づいていきたいと思っています。それは決してロケットである必要はなく、もう少し身近なところで「これがあれば生活が変わる」というビジョンが明確で、「これって絶対起こるよね」と共感できるところとぜひご一緒したいです。さきほどペットに触れたのは、東京海上のような堅そうな会社が幅広い領域に取り組んでいることを皆さんに知っていただきたかったからです。

また保険はいろんなものが対象になるため、「何かを変えていく」という取り組み自体を一緒に進めることもできます。リスク発生後に保険でお金で返すだけではなく、リスクそのものを回避したり、影響を軽減する目的でご一緒できると、新規事業の取り組みが広がると思います。アイデアがあれば何でも一緒に考えられると思いますので、ぜひお願いします。

キャシー:では最後に一言、女性起業家の皆さんに伝えたいことがあればお願いします。 

北川:今日は光栄な機会をいただいて、大変うれしい気持ちで皆さんとともにいます。われわれには時代を変える力がある。私のなかにもその力はあるという思いを、皆さんと共有できればと思っております。これからもいろんな機会で、またお会いできるときがあると思います。 そのときもぜひお声かけください。 引き続き力を結集していきましょう。 

生田目:今日はこのご縁をいただき本当にありがとうございました。MPowerさんの取り組み、皆さんとのご縁、それから皆さん自身がやっていらっしゃること、すべてがよりよい明日を作るためにつながっているという気持ちを、今日ぜひ持って帰っていただければと思いますし、われわれもその気持ちで明日以降加速したいと思います。ありがとうございました。

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