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キャシー 松井
General Partner
Backstory
日系アメリカ人2世として、奈良県出身の移民の両親のもと、カリフォルニアの農村地帯で生まれ育ちました。幼い頃から家族の花農園で働く生活は決して楽ではなかったものの、その経験を通じて学んだ勤勉な姿勢や困難を乗り越える力は、今も大切な価値観として私のなかに根づいています。両親はお金をほとんど持たず、英語も話せない状態でアメリカに渡りましたが、地域社会の温かい支えと揺るぎない決意によって全米有数の花の卸売業を築きました。その起業家精神を引き継いでキャリアを積み上げた私は、今ベンチャーキャピタリストとして、志ある起業家たちを微力ながらサポートし、私の両親のように夢を実現するのを見届けたいと願っています。
情熱を注いでいるプロジェクトや趣味は?
私のライフワークは、女性のエンパワメントとジェンダー平等の推進です。私は「ウーマノミクス」と女性の教育が、世界中の差し迫った課題の多くを解決する「切り札」であると確信しています。特に思い入れがあるのが、バングラデシュにあるアジア女子大学の取り組みです。この活動では、社会的・経済的に困難な状況にいる女性たちに対して、質の高い教育とリーダーになるためのスキルを提供してきました。また、米日カウンシルのような米日間の架け橋としての役割を果たす活動も支援しているほか、The Nature Conservancy(アメリカの自然保護団体)を通じて環境保護活動にも力を注いでいます。
経歴
ハーバード大学を卒業後、ロータリー奨学生として来日しました。当時は長期滞在するつもりはなかったものの、運命は違ったようです。ジョンズ・ホプキンス大学国際高等関係大学院(SAIS)に在学中、旧三井銀行で夏季インターンシップの機会を得た私は再び日本を訪れ、のちに夫となる人物と出会いました。人生が大きく変わった瞬間でした。私は日本への移住を決め、金融業界でのキャリアを踏み出したのです。
最初はバークレイズ証券で日本株ストラテジストを4年間担当し、その後ゴールドマン・サックス・ジャパンへ。在籍した26年の間に副会長やチーフ日本株ストラテジストを務め、日本における構造改革に焦点を置いてリサーチを積み重ねました。コーポレートガバナンス、サステナビリティ、ダイバーシティなどもその1つですが、リサーチを始めたのはそれらが投資テーマとなるずっと前のことです。1999年に発表した「ウーマノミクス」レポートは、日本政府が経済成長戦略の1つに女性活躍推進を打ち出すきっかけとなったほか、2020年には『ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます』を上梓し、企業が多様な人材を育成するための実践的なアドバイスを広く世の中に提唱しました。
MPowerでは、志ある起業家たち、そしてインパクト創出への情熱を共有するすばらしいチームとの仕事を通して、日々学び、刺激を受けています。仕事以外では、現代アート、ヨガ、夫と2人の子どもとの旅行、そして2匹の愛犬との東京散策を楽しんでいます。