令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表すとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
この記事は、MPower Partners Fundの投資先企業であるヘラルボニーのプレスリリースを転記したものです。ヘラルボニーは障害者が取り残されない被災支援に向け、ウェブサイトとSNSでの情報共有活動を開始しました。
地震や津波などの自然災害が発生した際は、障害者や高齢者など自力で避難できない人々が取り残されがちです。2023年のCOP28では「国際障害者デー」である12月3日に「気候・救済・復興・平和宣言」が採択され、そのなかで「あらゆる国とコミュニティーで平等な権利に基づいた解決策を設計・遂行するため、障害者と手を携えてともに取り組む」ことが明記されました。自然災害が頻発する島国である日本は、この試みを率いる立場にあります。MPower Partnersは、へラルボニーが目指すインクルーシブな被災者支援を応援しており、海外にまで届くことを願っています。
ヘラルボニー、障害のある人のための災害情報を届ける活動「#障害者を消ない」を始動
2024/01/03
〜避難所で困難を抱える人への情報をまとめた特設サイトを公開〜
はじめに、この度の令和6年1月1日に発生した石川県能登半島地震により、犠牲となられた方々におくやみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、福祉領域の拡張を進める株式会社ヘラルボニーは、避難所などにおいて困難を抱える障害のある人たちのためのガイドライン・災害時に役立つ情報をまとめた特設ページを公開し、同時に「#障害者を消さない」を始動。SNSを通じて被災地にいる障害のある人たちのリアルな声を届ける活動を開始します。
東日本大震災、避難所から障害者が消えた
2011年に発生した東日本大震災。その後、重度の知的障害のある子どもや大人200人余りが、避難先を転々としている現状が報道*¹されました。知的障害や発達障害など、障害のある人のなかには、突然の環境の変化に対してパニックを起こして大声を出したり、落ち着きを失ってしまう方が多くいます。ですが、これらの特性についていまだ一般には知られておらず、災害など非常時における配慮はまだ十分ではありません。
そのようななか、障害のある人たちが避難所から追いやられたり、自ら「健常者と同じ場所には(迷惑をかけてしまうので)いられない」と避難所を去っていく状況がありました。
*¹ 2011年3月29日 朝日新聞
「#障害者を消さない」について
能登半島で発生した地震において被災された方々の中にも、障害のある人は必ずいます。
障害のある人が被災地・避難所で本当に必要とする情報を当事者だけでなく、多くの人に知っていただくため、SNSを通じて「#障害者を消さない」を始動します。
・特設ページ|障害のある人のための災害ガイドライン
避難所などにおいて困難を抱える障害のある人たちのためのガイドライン・災害時に役立つ情報をまとめた特設ページを公開しました。「災害用コミュニケーションボード」などを掲載しています。ぜひご活用ください。
特設サイトURL:https://emergency.heralbony.jp
災害時に必要な情報・困りごとをSNS「#障害者を消さない」で募集
当事者でない人たちが想像できることには限界があります。何が本当に必要な情報なのか、困っていることなのか、障害のある当事者だけでなく多くの人にその声を届けるため、SNSで広く情報を募集します。また、本特設ページに追加で記載してほしい情報についても引き続き募集します。
ヘラルボニー公式Xアカウント( @heralbony)宛にハッシュタグ「#障害者を消さない」をつけて情報をお寄せください。
ヘラルボニー公式Xアカウント https://twitter.com/heralbony
これらの活動は、障害のある当事者団体と相談しながら実行しています。今後も、情報の信憑性の担保、本質的なアクションのため当事者団体の皆さまとの連携を行い、活動を展開していく予定です。新しい情報は公式SNSアカウントやプレスリリースを通じて発信していきます。
特設サイトより
「大声を出す娘の口をガムテープでふさごうと思った」
東日本大震災、重度の知的障害のある娘と一緒に避難所に身を寄せていましたが、
毎晩の大声に身も心も疲れ果て、避難所を離れた家族が口にした言葉です。
何人もの障害のある人が、避難所から追放され、
半壊した自宅への帰還、親戚の家に身を寄せる状況に陥りました。
避難所から、障害者が消えたのです。
能登半島地震、今現在この瞬間も、障害のある人は
生活環境の変化により、大きく混乱をしているはずです。
災害時の変化に困り苦しむ人々に向けて、適切で信頼ある情報を提供し、
異なる人々とのコミュニケーションを促進できたなら。
守ることのできる命もあるかもしれません。
避難所で、大変な時を共に乗り越えられるかもしれません。
障害者が消えることのないように。